あらかわのエッセイ

三十代農民のつぶやき。

タイムマシンは科学による幸福をもたらすか。

シュタインズゲートという数年前のアニメを時々見ている。偶然にもタイムマシンを作ってしまった主人公の研究チームが、身に降りかかる不幸を振り払うべく過去に戻ってその原因を摘むというような内容だ。

過去に嫌なことがなかった人はおそらくいないだろう。自分の選択の結果であれ、あるいはそうでない不可抗力であったとしても、だれもが自分にとって不利益になる嫌なことは選ばない。あの頃ああしていればよかった、この選択をとっていれば違った人生だったかもしれない。そんなことを一度は思うのではないだろうか。

タイムマシンがあって過去にあった間違いを修正できたら、今とは全く別の人生を、今より幸福な生涯を送ることができるのだろうか。仮にそうであったとして、きっとそれはもう同じ遺伝子を持った別の個体のような気がする。失敗も、挫折も、つらいことも、嫌なことを経験してきたことが自分のアイデンティティの一部なのかもしれない。そしてそれは経験値としてこれから活きてくるのだろう。

あまり自分を好きになれないという人はたくさんいる。そういった人は誤った選択の結果を受け入れられずにいるのかもしれない。でもそれは思い描いていた結果にならなかったとしても、それからの生き方につながるのではないだろうか。逆境を乗り越えられる人もいればそうでない人もいるが、それが自分のことだとしても、人のことだとしても、うまくいかないかったことを認めて受け入れられるような人になりたいなと思う。