あらかわのエッセイ

三十代農民のつぶやき。

ゲームの思い出。

親がゲームに対して全く理解のなかった我が家において、孫を哀れに思ったのか祖父がゲームボーイを買ってくれたのを覚えている。こどもの手には少し大きいグレーの四角い筐体、その電源を入れると乾いた音で「ピコーン」と鳴るのだ。友達と遊ぶときに持っていったこともあるし、道中で落としても画面が割れたりソフトを読み込まなかったりといった故障もなかった。単3電池4本のコストは小学生の私には安くはなかったが、それでも近所の小さな商店に小遣いを握りしめてよく買いにいったことが懐かしい。

 

初めて遊んだソフトは確か、テトリスだったように思う。BGMのB-typeがお気に入りで毎回それを選んで夢中になって遊んでいた。ほかにも有名なものだとスーパーマリオランドポケモンシリーズ、星のカービィ2、モンスターレース、たまごっちなどをやったような記憶がある。初期の頃に発売されたソフトはプレイ状態のセーブ機能がついていないものが多く、一度電源を切ってしまうと元の状態に復帰するのに合言葉が必要なものがあったり、なかには最初からやりなおしを強いられるものもあったりしたのだから難易度が高かったような気がする。あいことばなんか一つ間違えただけでもう二度と復帰することはできないのだ。

 

コンピュータの進化によりフルカラーで綺麗なグラフィック、高音質なサウンド、複雑なゲームシステム、直感的な入力などが可能になり、ゲーム性自体も昔より高度なゲームがたくさん登場している。さらにはゲームエンジンや開発ツール、フリー素材の普及でゲーム開発自体も特別な専門知識がなくてもできるようになってきた。ゲームをやる人も作る人もこどもの頃に夢中になって遊んだ時の純粋な楽しさを忘れていないだろうし、それをずっと持っているのだろうなと思う。新しいゲームがこれから先にたくさん出るだろうけれど、その本質は変わらないでほしい。