あらかわのエッセイ

三十代農民のつぶやき。

六畳間ユニバース。

隣のオヤジがやっと静かになった深夜11時過ぎに、またメランコリーの種を蒔いている。同じことを何年繰り返せば気が済むのだろうかとつくづく思う。そしておそらくは気の済むことはないのだ。

ああもうそんなに若くないな、という自覚が定着してきているのは疲労感が抜けないからだろうか。そう考えると人生が長すぎる。まだ半分も生きてないのに。

しかし確実に時間は進んでいてとてもゆっくりと死へ向かっている事実を、やはり現実として受け止めることができない。人間に限らず多くの死は身近にあるのに、自分の死だけは理解できないものなのだ。

冷蔵庫のラジエーターが低くうなるこのワンルームから灯りを切ると、iPhoneの画面が明るく浮かび上がる。孤独との付き合い方は未だにわからず、今夜も暗闇で一人。